彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)
ヤマト君の話はひとまず置いておいて、気持ちを切り替えてから言った。
「あの!指示された通り、『ジョニーズバー』でしたっけ!?そこへ行ってるんですけど、あってますよね!?」
〈ああ、『ジョニーズバー』でいい。噂じゃ、ハンバーガーが美味いって。〉
「炭水化物ですか!?ご飯食べる場所で、いじめとか最低!」
〈ずっと言おうと思ってたけど、凛・・・この場合、いじめって言わねぇ。〉
「え?いじめでしょう?」
〈リンチって言うんだ。〉
(どう違うんだろう・・・・?)
〔★違いが判らなかった★〕
「同じじゃないんですか?1人だけ暴行を受けてるのには変わりないでしょう?」
そう言えば、電話口の瑞希お兄ちゃんが笑う。
〈『いじめ』って言い方だと、可児のプライド傷つけるだろう?〉
「あ・・・・!?」
苦笑いだった。
「瑞希お兄ちゃん、可児君を気遣って『リンチ』と・・・?」
〈気持ち悪いこと言うなよ。ヤンキーなら、リンチが似合うだろう?あいつは感謝の心を持ってそうだが、素直にお礼を言うタイプじゃないだろうからな。〉
「そうだと思います。」
実際に、菅原凛の時に言われた。
(『助けてと頼んだ覚えはない』とか言われたもんね・・・)
〔★今度は凛道蓮で言われそうだ★〕
「わかりました。では、『リンチ』にしておきます。」
「そうしてくれ。硬派うたってるなら、いろいろ面倒そうだからさ?」
「御意。」
その声に合わせてスピードを上げる。
暗い夜の道を走り抜ける。
慣れたバイクで、急カーブを曲がる。
1人で行くつもりだったから、嬉しかった。
姿がなくても、声として、瑞希お兄ちゃんが近くにいるだけで、負けない気がするから。
~◇仏恥義理(ぶっちぎり)!どっちの凛も奔走中(ほんそうちゅう)!!~完~