彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)



〈凛、普通に入れよ?〉

「わ、わかりました・・・」




耳に響く声に、小さく返事する。



(普通にする、普通にする・・・・!)



瑞希お兄ちゃんの指示を受け、彼らの間にスッと入る。



「あん?」

「お?」



ジロッと、怖いお兄さん2人が見てくる。

それに私も応えた。






「こんばんはー♪」

〈こらぁー!?〉



〔★凛は笑顔であいさつした★〕




〈なに話しかけてんだ、凛!?〉

(だって、普通にしろと言ったじゃないですか?)



瑞希お兄ちゃんに変じたかったけど、電話中なのがバレては困る。

ニッコリ笑ってお辞儀すれば、男2人が言った。




「コラコラ、なにが『こんばんは』だ、クソガキ?」

「おばんです?」

「いや、言い方の問題じゃねぇーぞ!ここがどこかわかってきてんのかっ!?」



そう言って、私を両側から囲む男2人。



〈ああ~~だから言ったんだよ・・・・!〉



耳元で瑞希お兄ちゃんが、なげきの声を漏らす。

そんなあなたも素敵♪と思いながら言った。



「はい、ここはハンバーガーが美味しいお店でしょう?僕のお姉ちゃん、ハンバーガーが大好きなんです。」

「「お姉ちゃん?」」

〈お姉ちゃんって、凛??〉




聞き返す男2人と、瑞希お兄ちゃん。





「はい、モデルみたいに美人のオネェちゃんです。」

〈そっちかよ、凛!?〉



〔★凛はモニカの話をしている★〕




(本当は、瑞希お兄ちゃんと言いたいけど、お姉ちゃんに見えてもお兄ちゃんはお兄ちゃんだし。)



前に、モニカちゃんもハンバーガーが好きだから食べに行こうって誘ってくれたから・・・




(嘘にはならないもんね!)



「おい・・・・このガキもしかして・・・」

「近所のキャバ嬢の弟か?どこの店だ、お前?」

「飲みに来てくれますかー?やとわれの身なので、割引はききませんけど~?」

「なんだそれ!?行かねぇーよ!」

「サービス悪いな、クソ!」



私の言葉に、唾を吐きながらよけてくれた。



「さっさと買って帰れ!」

「はーい!」



あっさりと押してもらえた。

意外とキレイなドアを押して入る。




(作戦成功!上手くいった~)




こうして私は、あっさりと入れてもらえた。


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