彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)
「俺に逆らってんのか、辰・・・!?」
「ひっひいい!?ち、違います!俺、そんなつもりは~・・・!」
「だったら、さっさと買って来い!!俺に恥かかす気か!?」
「め、めっそうもないっす!行ってきます!」
「さっさといけ、のろまがっ!」
怯える辰という仲間に舌打ちすると、中身が入っているグラスを投げつける。
ガシャン!
「ひっ!?」
当たらなかったが、その場に尻もちをついた。
「グズグズすんな!」
「す、すんませんっ!」
床を這いながら、お使いを命じられた男が出ていく。
それで室内は、お葬式状態になる。
「チッ!使えねぇな・・・!」
「・・・。」
(なんか・・・すごく悪いことしちゃった気がする・・・・)
気まずい空気の中、それを作った原因として思う。
早く帰ろう・・・早く、ハゲ君をつて帰ろう、と。
〔★凛は罪悪感を覚えた★〕
〈・・・凛、あんまり気にするなよ?まぁ・・・次からは、どこにでもある物を頼めよ?〉
(うん・・・・頼んだんだけどな、お水。)
いや、最初から頼めばよかったのかな?
そう思い直しながら黙っていれば、大きな声がした。
「おい、なに黙ってんだ!?お前らも葬式みたいだろうが!?」
「へ、蛇塚さん!」
「菊さん・・・」
「盛り下げてんじゃねぇーぞ、上げろ上げろ!なぁ、坊主!?」
「ソウデスネ。」
(お前が下げたんだけどな。そして、私もなんだけどな。)
「オラ!朝まで騒ぐぞ~!」
「「「お、おーう!」」」
気まずい空気ではあったけど、すぐに元に戻る。
音楽までかかり始め、うるさくなっていく。
「坊主!茶が来るまで、これ飲め!テキーラ!」
「いきなりアルコール!?そこは普通、グレープジュースだと聞きましたが!?」
「馬鹿!お前!」
「素直に、蛇塚君の言う通りに~」
「はははは!グレープフルーツ~!?お前、期待を裏切らない見た目だな?」
慌てる取り巻きをよそに、蛇の目のリーダーは手を叩いて笑う。