彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)
「馬鹿だろう・・・凛道・・・・!?」
彼が意味なく怒るのは当たり前。
それでも尋ねてみた。
「え?賢い方じゃないよ、僕?」
「知ってんだよ!なんで、簡単にメンバーにすんだよ!」
「いや、瑞希お兄ちゃんが追加していいって言うから。」
「許可しました。」
「はあ!?瑞希さん!?」
「じゃあ、凛は、スカウトできる立場ってことかよ!?」
「そうなるね~カンナさん。」
同じように険しい顔のヤンキーガールに笑いかける。
そして気づいた。
(そうだ!せっかくだから・・・・!)
「カンナさん!」
「なんだよ?」
「カンナさん、お願い!カンナさんも、龍星軍に入ってくれませんか?」
「・・・・はあ?」
カンナさんは、私の最初の友達。
いろいろ助けてくれて、仲良くしてくれた。
「お願い、カンナさん!龍星軍のメンバーになってもらえないかな?」
「あた・・しに、龍星軍・・・・?」
そう言って、なぜか顔を引きつらせるカンナさん。
「ばっきゃろう!テメーカンナになんてことを!?」
「真面目なことですが?そうだ!よかったら、円城寺君も入ってくれませんか?」
「ああ!?」
「いいでしょう?元々、円城寺君の方が龍星軍に乗り気だったから・・・一緒にすればいいと思うんだ!」
「おお~ええなぁ!わしも入れて!」
「え!?いや・・・君はまだ・・・」
「なんや、わしあかん!?どないなテスト受ければええねん~!?」
「テストはないけど・・・会ったばかりだし・・・」
(とはいえ、菅原凛の時に助けてもらってる。)
悪い奴ではない?
(メンバーに入れても問題ない・・・?)
「凛。」
そんなことを考えていた時だった。
「カンナさん?」
呼ばれてそっちらを見る。
「どうしたの?」
「・・・。」
私の質問に、珍しくノーリアクション。
そして、無言で近づいてきた。
「カンナさん?」
うつむいていた彼女が私の前で止まる。
「カン――――?」
「凛たん!」
彼女を呼ぶ声と、烈司さんの言葉が重なる。
その時になってやっと、カンナさんの顔が見れた。
(――――――――――――――――え?)
それは、初めて見る表情だった。
~ご意見無用!4代目総長はお節介がお好き!?~完~