彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)
「え?違うんですか?」
「そんなわけないだろう!?コラ、凛道!オメーはさらわれてんだぞ!?」
「え?誘拐!?」
(そんな気はしていたけど、やっぱり!)
〔★自覚が遅い★〕
誘拐だと言われ、動揺する。
それでも、一言言わずにはいられなかったので言った。
「あなた達、見る目ないですね!?うち、お金なんてないですよ?何を考えてるやら・・・」
「見る目・・・はあああ!?」
「残念ですよ、お兄さん達。」
「「「「「「「なんだとコラぁ―!?」」」」」」」
〔★凛は同情している★〕
私の言葉に、両隣のお兄さん達が騒ぎ出す。
「なっ・・・はあああ!?なんだお前!?誘拐された分際で、なんだその口の利き方は!」
「そうだ!人質のくせに、なんでそんなに落ち着いてられんだよ!?お前は誘拐されたんだぞ!?」
「いや、言うことだけ言っておかないと思いましてね。なんで僕を誘拐したんですか?」
「冷静だな、オイ!?」
「つーか、なんで誘拐されたかは、自分の胸に手を当てて考えてみろ!」
「そうしたいのはやまやまですが、お兄さん達が両手を拘束してるので無理です。」
「ああいえば、こういう!?」
「なので、片手だけでも離してもらえませんか?」
「くっ・・・どうする?」
私のお願いに、右側の唇にピアスをしているお兄さんが振り返る。
後ろに座っている3人に確認を取っていた。
そのうちの一人、真ん中の男が言った。
「そいつの見た目に騙されるなよ。猫だと思ったら、虎ってパターンんだ。」
「それ、僕への褒め言葉だと受け取っておきますね。」
「ちっ!口の減らないガキだ。離してやれ。」
「いいんですか?」
「ああ。その代わり、こいつを首にあててろ。」
「え?」
そう言って差し出してきたのは、包丁。
「え!?これ、魚をさばくためのじゃないですか!?」
「人間もさばけるぜ?」
〔★さばかれる可能性が出てきた★〕