彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)
「そう思わないと・・・いけないほどの相手ですか?」
「だから、うちの頭も連れて来たんだぜ、凛?」
「カンナさん?」
「皇助!!」
カンナさんの声の後で、瑞希お兄ちゃんが百鬼を呼んだ。
「わははは♪」
「痛って!?」
その声に素早く反応すると、ブリッジを仕掛けていた円城寺君を離す野獣。
それで、ごろんと円城寺君が転がった。
〔★大河は解放された★〕
「う!?あいててて・・・・!」
「わっ、大丈夫!?円城寺君!?」
「じゃかましいわ、このくそボケっ!オメーに心配されるほど、俺はヤワじゃねぇっ!!」
「わるかったな、大河。平気か?」
「瑞希さん!?いやいや、平気っすよ、そんなぁ!あははははは!」
「え!?二重人格!?」
あまりの変わり身の早さに、ギョッとする。
(私が聞いたら、ゴミでも見る目をしたのに、瑞希お兄ちゃんへは宝石を見るような目を向けるとは・・・・!)
〔★わかりやすい差だ★〕
「俺がタフなのは、瑞希さんも知ってるでしょう~?」
「ならいいけどよ。」
ボロボロだったけど、瑞希お兄ちゃんの声掛けで元気になった円城寺君。
それにカンナさんも声をかける。
「イケんのかよ、大河~?」
「ああ?俺を誰だと思ってんだよ!?つーか、べらべら勝手に話してんじゃねぇーよ!」
「だったら、こっからオメーが話せよ、大河?いちいち凛に、八つ当たりしてんじゃねぇーぞ!」
「くっ・・・黙ってろ!」
カンナさんを怒鳴ると、肩や腕を鳴らしてから、円城寺君が私を見ながら言った。
「今までの話を聞いてわかってると思うが、蛇の目は外様組。早い話が、よそ者だ。」
「転校生みたいなものですか?」
「てん・・・!?ま、まぁそんなとこか。他所から流れてきて、SHIELDの口利きで飛翔連盟に入ったんだよ。」
「SHIELDが引き入れたんですか?」
「世間はそう見てっけど、俺らの見解は違う。」
「何が違うんですか?」
聞き返せば、キツイ目をさらにキツくしながら言う。