彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)



「そう思わないと・・・いけないほどの相手ですか?」

「だから、うちの頭も連れて来たんだぜ、凛?」

「カンナさん?」


「皇助!!」




カンナさんの声の後で、瑞希お兄ちゃんが百鬼を呼んだ。



「わははは♪」

「痛って!?」



その声に素早く反応すると、ブリッジを仕掛けていた円城寺君を離す野獣。

それで、ごろんと円城寺君が転がった。



〔★大河は解放された★〕




「う!?あいててて・・・・!」

「わっ、大丈夫!?円城寺君!?」

「じゃかましいわ、このくそボケっ!オメーに心配されるほど、俺はヤワじゃねぇっ!!」

「わるかったな、大河。平気か?」

「瑞希さん!?いやいや、平気っすよ、そんなぁ!あははははは!」


「え!?二重人格!?」



あまりの変わり身の早さに、ギョッとする。




(私が聞いたら、ゴミでも見る目をしたのに、瑞希お兄ちゃんへは宝石を見るような目を向けるとは・・・・!)




〔★わかりやすい差だ★〕




「俺がタフなのは、瑞希さんも知ってるでしょう~?」

「ならいいけどよ。」



ボロボロだったけど、瑞希お兄ちゃんの声掛けで元気になった円城寺君。

それにカンナさんも声をかける。



「イケんのかよ、大河~?」

「ああ?俺を誰だと思ってんだよ!?つーか、べらべら勝手に話してんじゃねぇーよ!」

「だったら、こっからオメーが話せよ、大河?いちいち凛に、八つ当たりしてんじゃねぇーぞ!」

「くっ・・・黙ってろ!」



カンナさんを怒鳴ると、肩や腕を鳴らしてから、円城寺君が私を見ながら言った。



「今までの話を聞いてわかってると思うが、蛇の目は外様組。早い話が、よそ者だ。」

「転校生みたいなものですか?」

「てん・・・!?ま、まぁそんなとこか。他所から流れてきて、SHIELDの口利きで飛翔連盟に入ったんだよ。」

「SHIELDが引き入れたんですか?」

「世間はそう見てっけど、俺らの見解は違う。」

「何が違うんですか?」



聞き返せば、キツイ目をさらにキツくしながら言う。



< 38 / 502 >

この作品をシェア

pagetop