彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)
「聞いてなかったって・・・・真田先輩?」
「あ~・・・・さらわれるかもしれねぇって話、してなかったかも・・・ごめん、凛!」
「え、ええ!?いや、謝らないでください、瑞希お兄ちゃん!そんな、何を言っ~」
「何言ってんすか、瑞希さん!?悪いのは凛道で、瑞希さんが気にすることねぇーっスよ!手段を選ばねぇー敵がいるってことを学ばせるいい機会っすよ!」
「わはははは!凛助は軽いからな、連れ出すのが楽だろう!」
「ダメよ、ダメダメ~!凛ちゃんをさらっていいのはあたしだけよぉ~!きゃー!なんちゃってー!」
「どちらにせよ、誘拐の可能性はある。凛道、車でさらわれた際の対処方法を教えてやろう。」
「いいね、伊織~凛たん、助手席と後部座席・・・まぁ後部座席だとは思うけど・・・無理やり乗せられた時の攻撃方法と、抵抗の仕方はね~」
「あ、待て烈司!教えるなら、俺が凛に教える!凛は昔の俺にそっくりだから、体験談を離した方が~!」
「あははは・・・・結論から言うと、僕は誘拐される方向で『決まり』なんですね・・・・?」
〔★決定事項だった★〕
熱心に説明してくれる瑞希お兄ちゃん達を見て思う。
ヤンキーは誘拐も得意なんだ、と。
〔★それも個人差がある★〕
「おい、暗い顔するなよ、凛!あたしが守ってやっからよ!」
「カンナさん・・・・」
「オメーには、いろいろ借りがあるからな!今度はあたしを頼りなよ!」
「でも・・・・友達に迷惑は・・・」
「かけろ!あたしら、もうツレだぞ!?ツレに迷惑かけるぐれーの親しみもてや!?」
そう言って、バシッと背中を叩かれる。
少し力がきつめだったけど、不安が飛び出すようで気持ちよかった。