彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)
「どうでもいいわ!なにかって言うと、『凛』、『凛』って、瑞希さんは~」
「いや、それほどでも、円城寺君~」
「褒めてねぇよ!」
「可児君にも、忘れないように特服を渡さないといけませんね。」
「聞けよ、コラ!?」
「うははは!忘れんようにせんとなぁー!」
「てか、大河うるせぇーから、声小さくしろ。」
「テメーら~・・・・・!」
「まぁまぁ、おしゃべりはストップして・・・」
中の会話を置いておいて、目の前の会話に集中する。
「戦う準備は良いですか?」
確認した。
「いつでも、できるって言ってんだろう?」
殺気十分の円城寺君に。
《なにが捨てられただ!?今のSHIELDを束ねてのは俺だ!》
「凛、早くしろよ~?」
今か今かと待ちこがれるカンナさん。
《使えないから叩き出した!それは変えられない!》
「うははは~」
変わりなく、笑いっぱなしのヤマトの姿に用意は出来てると判断する。
《そのセリフ、凛を倒してから言え。もっとも、凛は絶対に負けない。》
交差している瑞希お兄ちゃんと敵の声。
「まだです・・・・!」
《面白れぇ!!そんなに言うなら、勝負してやる!》
聞えてきた蛇塚の声にイラッとしたけど、集中する。
タイムミングを見計らい―――――――――――
《凛道だろうが、なんだろうが、いつでもかかってきやがれ!》
(今だ。)
最高の誘い文句の登場。
宣戦布告を受け、合図の声を出した。
「それじゃあ遠慮なく。」
外から、部屋の中へ向かって叫ぶ。
(今だよ!!)
同時に、アイコンタクトで突入の合図をする。
「うはははは~!」
私からの指示で、ヤマトの手が扉に重なる。
気絶している敵を持っていない手が、ドアを思いっきり張り手した。
(バス停の標識柱を投げるだけの馬力があるヤマトのこと――――相手を驚かせるだけの登場の演出してくれるはず!)
そんな考えで頼んだけど―――――――
「うははははははは!!」
ドドーン!!
出入り口が爆破した。
《《ええ―――――――――――――!?》》
「な!?ドアがぁぁぁ!?」
「マジでぇぇぇ!?」
「あれ?」
中と外から、驚きの声が上がる。
当然でしょう。
私の目の前の扉が、魔法の呪文にでもかかったように飛んだんですから。
〔★ヤマトからの攻撃、ドアは敗北した★〕