彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)




うそでしょう!!?




(考えてたのと、ちょっと違う・・・・!?)



いいえ、かなり違いすぎる。

力士じゃないけど、張り手で一突きした瞬間、ドアの金具が飛んで、ドアが部屋の中に消えた。



〔★力士でもそこまでしない★〕




「うははは~吹っ飛ばしたで~!?」





そう語るヤマトは、張り手のポーズのまま、陽気に笑いかけてくる。



「いやいやいや・・・・」

(なに笑ってるの!?)




確かに、ぶっ飛ばせとは言ったけど・・・・



(扉ごと、飛ばしちゃうことないでしょう・・・・)



〔★飛び過ぎだ★〕




ヤマトからの強い力を受け、凹んだ扉はよく飛んだ。

ほこりと瓦礫を出しながら、蛇塚の仲間数人を巻き込み、正面の壁へと命中していた。



《うっわぁぁぁー!?》

《しっかりしろ!》

《ダメだ、起きねぇ!》



前を壊れたドアに、後ろを壁に挟まれた数人が、がっくりとうなだれている。

仲間の呼びかけにも応じない。



《これ、蛇塚さん!》

《なんなんですかー菊千代先輩!?》


《俺が聞きてぇよ!!?》


(私もだ。)


怪力じゃないかと思ったけど、ここまで強いとは思わなかった。



〔★凛と敵の気持ちが一致した★〕




「お・・・おいおい、すげーな、お前・・・?」

「マジで、扉ぶっ飛ばすか?」

「うはははは~照れるで~!」



間近でそれを見たカンナさんと円城寺君が驚いている。



「え!?なに!?ドアを飛ばしたのか!?張り手で!?」

「リアルバーチャルだな、オイ・・・すげーな、あいつ・・・」

「うはははは~それほどでも~」



離れた場所から目撃した悠斗君と秀君も驚いている。



(だからと言って、私まで呆然としちゃダメだなのよね・・・・)



びっくりはしたけど、びっくりしている友達を見て、逆に冷静になれた。

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