彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)
「あ!?チョー君!?」
「チョー君じゃねぇか!?」
「いやぁ~せっかちさんやったから、たたんでもぉーた!うはははは!」
「お前がしたのか!?」
「いやいや!わしやのうて、そっちの怒り面の兄ちゃんや!わしは、扉叩いただけや~ん!?」
「誰が怒り面だコラ!?嘘言ってんじゃねぇーよ!俺を巻き込むな!」
「うははははは~冗談やー!せやから、そっちの兄ちゃん大当たりや~!おめでとうさん!」
関西ギャグなのか、円城寺君にツッコミを求めるヤマト。
これに彼はのらなかったけど~
「そうか、それなら、よか・・・・・よかねぇーよ!え!?おめでとう!?それお前、人間と扉と両方ふっ飛ばしたってことじゃ―――――――!?」
蛇塚がのった。
〔★1人漫才だった★〕
「困りますよ、お客様。」
そんな相手に、優しい声で近づきながら言った。
「当サービスでは、本人以外の受け取りは行っていません。よってペナルティーとカウントし、その制裁をさせていただきます。」
「そんなペナルティー聞いたことねぇぞ!?」
「――――――――聞いた聞かねぇは、俺らの知ったことじゃねぇ!!」
声の音量を一気に上げる。
世間で言う怒鳴り声を出せば、蛇塚がびっくりしたように固まる。
(私が興味あるのは、瑞希お兄ちゃんのことだ!)
「今度は身替わりは許さねぇぞ、蛇塚菊千代!」
(さっきみたいに、他の人に自分の荷物を取りに行かせたりはさせない!)
「おま、誰だ!?」
尋ねる相手の視界に、ふとあるものが映る。
がらんとした部屋の中で目立つベットの上に、そのお方がいた。
「助けに来ましたよ、王子様?」
目があい、彼の瞳が見開かれる。
そんな彼に笑いかけ、ポケットからバンダナを取り出す。
そして、素早く首の後ろでしっかり結びながら言った。
「本日限定のスペシャルな配達は―――――俺らから蛇塚菊千代&その仲間達への怒りの鉄拳サービスと、真田瑞希様の受け取り奪還!!」
かぶっていた帽子と、着ていた制服の上着をバッと脱いだ。
「返してもらうぜっ!俺のお兄ちゃん!!」
私の姿を見た瞬間、敵一同、とてもいいリアクションで固まってくれた。
~龍星軍、出陣!プリンセス・ボーイを奪還(だっかん)せよ!!~完~