彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)




「瑞希お兄ちゃ~ん♪」





邪魔者がどき、他の人も道を開けてくれたので、一直線にベットへと飛び乗った。





「瑞希お兄ちゃん、大丈夫だった!?」

「あ、ああ・・・・大丈夫だよ。」




片膝つきながら、彼を抱き起こせば、瑞希お兄ちゃんは苦笑いしていた。





「すげーな、凛。わざわざ、助けに来てくれたのか?」


「当然です!大切な瑞希お兄ちゃんですから!お怪我はございませんか!?」





安全確認も含めて、ギュッと抱き付く。

これに彼は、体の力を抜きながら答えてくれた。




「ははは、俺は大丈夫だ。凛こそ・・・・お前が無事でよかったぜ。誘拐とかされてなくて。」

「そんな、瑞希お兄ちゃんに何度も心配かけません!」




こんな状況でも、私を心配してくれる彼に感動する。

だからこそ、余計に許せなかった。




「僕よりも、瑞希お兄ちゃんが・・・!縄で両手用足を縛るなんて、ひどい!」




前回の可児君よりはマシだったけど、きゅうくつそうにしている。

手首も、赤くなっていて痛々しい。



「痛かったでしょう!?すぐに、ほどいてあげます!」

「あ、でもそれ・・・縦にも結んであるから、ほどけにくいと~」

「う!?本当だ、キツイ!」



〔★言われた通りだった★〕





「なにやってんだ、これ使え!」




ほどけない縄と、悪戦苦闘していれば、後ろから誰かやってきた。



「円城寺君。」

「大河。」

「ナイフ使え!その方が早い!瑞希さん、ご無事ですか?」



私と同じように、瑞希お兄ちゃんの側に座り込むと、ナイフを差し出してくれた。



「これで、スパッと切れ!」

「んしょ、んしょ・・・こう?」

「包丁じゃねぇーんだぞ、こうだよ!」




スパっ!



「あ、すごい!」

「常識だろう、タコ!」



そう言うと、あっという間に両足の方まで切ってくれた。




〔★出来る男だった★〕



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