彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)



「すまねぇな、大河。助かった。」

「いいえ、当然です!」

「けど、いつから宅配屋のバイトはじめたんだ?」

「だれが、バイトすか!?これは、瑞希さんを救うためにしてるだけで~」

「凛と一緒にか?」

「うっ・・・・!そ、それは~」



瑞希お兄ちゃんの質問に、大河が口ごもる。

聞いている瑞希お兄ちゃんは、なぜかにやけ顔だ。



「自己紹介、聞いたぜ?龍星軍、してくれるんだな?」

「そ、それは~」

「当然っすよ、瑞希先輩!」

「カンナ!?」

「カンナさん!」



そう言ったのは、ドアがなくなったドアの前で仁王立ちしている友達。




「あたしら爆裂弾、龍星軍を兼業することになったんす!」

「兼業?」

「そうっす!」



聞き返す瑞希お兄ちゃんに、得意げにカンナさんが言う。




「二毛作と同じで、爆裂弾しながら龍星軍することになったんで、よろしく~初代総長の先輩!」

「・・・カンナさん・・・」


(うーん、そういう言い方もあるよね~)



〔★争いも2倍、実りそうだ★〕




二毛作とは、上手いことを言うと思いながら瑞希お兄ちゃんを見る。

気になる彼の反応。

よりによって、初代総長のいないところでそう決めた。

なんて言われるか、怖かったけど――――――――





「あっはっはっはっ!それ、凛の考えだろう~?」

「え?」





笑われた。

笑ったというよりも・・・



「俺はてっきり、飛翔連合みたいに何か同盟でも組んで一緒に活動するのかと思ってたけど~まさか、両方するって・・・バイトの掛け持ちかよ?」

「瑞希お兄ちゃん・・・」

「面白い奴!この天然っ子め、よしよし。」


「瑞希お兄ちゃん・・・・!」



褒められた!


それも、救出後の初よしよしで!




(円城寺君の人相が悪くなってるけど、気にしない・・・!幸せ・・・!)



〔★そこは気にしてやれ★〕



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