彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)





「ありがとうカンナさん・・・僕、頑張る。誘拐犯に負けない・・・!」

「・・・・よかったな、凛。いいツレじゃねぇーか?」



カンナさんにお礼を言えば、コンと頭を小突かれた。

つついてきたのは、カンナさんを間に挟んだお隣様。




「瑞希お兄ちゃん・・・・」

「よかったなぁ~りーん?高千穂と仲良くなれそうで~?」




好きな人の顔は、大体がときめく。

でも、時々だけど、今みたいにムカつく時がある。



「お兄ちゃん・・・!?なんか、顔がいつもと違うんですけど・・・?」

「んー?そうか?俺は、凛の幸せを願ってるだけだぞー?あはははは~!」

(どこがっ!?)


そのにやけた顔!

なにか企んでいる表情!



(どうみても、僕が男の子としてカンナさんを気にしてるって思ってる顔じゃないか!?)



〔★ひどい誤解だった★〕




(これでも私、友達と遊んでる方が好きな男の子設定でいるのに~!)




よりによって、瑞希お兄ちゃんにそう思われるなんて最低!

というか、瑞希お兄ちゃんの鈍感!



「なんだよ、凛?何ムキになってんだ~?」

「ムキになってないよ!」

「そうやって、すねるところが怪しいんぁ~?」

「すねてない!怪しくない!」

「あははは!わかった、わかった。つーことで、これからも凛をよろしくな、高千穂?」

「なにもわかってませんよ!?」



〔★凛の意見はスルーされた★〕




怒る私の頭を引き寄せながら、瑞希お兄ちゃんが笑顔で言う。

間にいるカンナさんへと、にこやかに告げる。



「こいつ、真面目すぎだけど、おもしろいところあるから!遠慮はいらねぇーから、ドンドンかまってやってくれ!」

「瑞希お兄ちゃん!?」

「かまっ・・・!?べ、別にあたしはそんなつもりはなくて~違うっつーかー・・・!」

「俺は違うけどな。」

「うるせぇぞ、大河!」

「あいてぇ!?」



円城寺君の言葉に、照れ隠しをするようにカンナさんがその頭部を叩く。






「そういうわけだから、凛!ダチのよしみで番号交換するぞ!ケータイは教えろ!」

「え?携帯?」






向き直り、開き直るような態度でカンナさんが私に言う。


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