彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)
「そうだよ!助けてやるにしても、凛からのSOSがないと行ってやれないだろう!?」
「えーと・・・僕が助けを呼ぶ方向で話が進んでるんですねー?」
「よかった~凛!高千穂が積極的で?」
「瑞希お兄ちゃん、変な顔と誤解をしないでください!」
「無視しろ、凛!ほら、早く教えろ。」
「え?う、うん!えーと・・・・アドレスは・・・・」
持ってきた携帯を取り出す。
瑞希お兄ちゃん以外、まだメールはしてない。
自分のアドレスを探していれば、覗き込んできたカンナさんが言う。。
「おいおい、なに捜索してんだよー?電話番号教えてくれればいいって。」
「え?それでいいの?」
「電話がわかれば、大体はどうにかなるだろう?」
「じゃあ、電話番号だけを~」
「待て!まぁ・・・・せっかくだから、番号と一緒にアドレスも教えな。せっかく、探してくれてたみたいだしな。」
「うん、わかった。」
そう言われ、消そうとした画面を維持する。
「えーと・・・アドレスは・・・あった!」
そして見つけ出した。
まだ覚えてない自分のメールアドレスを。
「お?どれよ?」
「これだよ、カンナさん。」
「どれどれ~――――――――――って!?なんだこれ!?」
私のメアドを見ながらカンナさんが叫ぶ。
「この統一感のないアルファベットと数字の組み合わせ・・・・初期設定のままじゃねぇーか!?」
「うん、そうだよ。」
〔★変えてなかった★〕
「そうだよって・・・なんで変えてねぇのぉ!?買ったばっかりかよ!?」
「そうでもないよ。僕のところに来て結構経つし~カンナさんも言ったじゃない?」
「なにを!?」
まだ変えてないアドレスを見ているカンナさんに言う。
「番号さえあれば何でもできるって♪」
「確かに言ったけどっ!!?」
〔★言い返せない理屈だった★〕
(というのは、建前で♪)
変えるわけないじゃーん?
瑞希お兄ちゃんが私のために与えて下さった携帯だよ?
一度は、メアドを変えようと思ったけど、瑞希お兄ちゃんからもらったものに手を加えるってことが出来なくて~
むしろ、自然のままの形を維持した方がいいんじゃないかって気づいたの!
〔★瑞希の知らない『重い愛』だった★〕