彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)
「だから、変えなくていいかなぁ~と思って。」
「よくねぇよ!?覚えにくいわっ!そうですよね、真田先輩!」
「いや待てよ・・・・初期設定の方が、迷惑メールがくる確率もないから、実はそっちの方がいいんじゃねぇか・・・?」
「なに納得してんすか!?」
「よし、交換完了~!」
「あ、コラ凛!いつの間に~!?」
カンナさんがツッコミを入れてる間に、彼女の番号をアドレス帳に登録する。
「僕のアドレス、SMSでカンナさんに送るね。えへへへ~瑞希お兄ちゃん達以外で、初めてだよ~」
「くっ・・・・!無害な顔で言いやがって~早く送れ!」
「うん、待って!今すぐ、初メールを~」
カンナさんへ送ろうとした時だった。
チャンチャー、チャララー♪
誰かの携帯が鳴る。
「誰?」
「・・・俺だ。」
瑞希お兄ちゃんだった。
「わりぃな、凛。」
「え?」
そう言って私の頭をなでながら立ち上がる。
部屋の外へと出て行ってしまった。
「なんだろう・・・?」
立ち去る時、少し困ったような表情だった。
(なにか、悪いことでもあったのかな・・・・?)
不安な私の側に、白い煙がふわっと漂ってきた。
「職場だろう。」
「烈司さん!?」
そう言いながら、煙草を吸う彼もまた、困った顔をしていた。
「凛たんには残念なお知らせかもなー?」
「え・・・・?」
烈司さんが告げたのと、部屋のドアが開いたのは同時だった。
「凛、悪い!」
そう言って顔をのぞかせたのは、瑞希お兄ちゃん。
「ど、どうしました!?」
「いや・・・実はさー・・・・・」
私の問いに、気まずい表情で彼は言った。
「ちょっと、職場にヘルプで行くことになって・・・」
「え?」
「今すぐ来てほしいらしいんだわ・・・・」
(・・・・・・今すぐ来てってことは・・・・?)
「俺、ここでぬけるから!あとは、オメーらで好きにしてくれ。」
「っ・・・・・ええ――――――――――――――!?」
(この場からいなくなっちゃうってこと!)
〔★凛に痛恨の一撃、ダメージが大きい★〕