彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)



「あ、煙草きれた。」



お葬式ムードの私の側で、烈司さんがつぶやく。

そして、体中のポケットに手を入れた後で言った。



「あーあ・・・これで最後だったか~俺、ちょっとタバコ買ってくるわ。ついでに、買い出ししてくる。このまま宴会したら、今ある食料が尽きる。」



そう言いながら立ち上がる烈司さん。

そんな彼と目があう。





「凛たん、ちょっと付き合いな。」

「え?」





ご指名を受け、腕をつかまれ、引き起こされた。



「ちょっと~凛ちゃん連れてくことないでしょう、れーちゃん?」



そんな私のズボンを、モニカちゃんがひっぱる。

それに気づいた烈司さんが、モニカちゃんを見ながら言った。


「別に意地悪してねぇー是?瑞希が凛たんにこの部屋使わせるなら、周辺の店のことも教えておいた方がいいだろう?お一人様1つまでっていう商品飼う時に便利?」

「同感だな。」

「獅子島さん?」



烈司さんの言葉に、生ハムを食べていた獅子島さんが言う。



「暮らすとまではいかんが、泊めてやるならいろいろ使えた方がいい。少しでも利益がある方がいいだろう。」

「損得勘定ですか、獅子島さん!?」



〔★利用される予感がした★〕




「俺の煙草がキレたのも何かの縁だ。いいだろう、モニカ?」

「それはわかるけどぉ~!」



烈司さんや獅子島さんの話に、まだ納得できなさそうなモニカちゃんがごねる。

これにヘビースモーカーの先輩が言った。



「それによ~ちょっと考えてみろよ、モニカ。」

「なにを?」

「凛たんが、よいしょよいしょと運んできた食料を、モニカは食べたいとか思ないかー?『モニカちゃん、イチゴが好きなんだねー♪』とか言いながら、オメーのことを考えて買ってきた品をさ~?」

「食べたいわね。」

「モニカちゃん!?」



真面目に烈司さんが聞けば、真面目に答えるオネェさん。



「ヤバい!イイじゃないそれ!子リスがどんぐり運ぶみたいで、可愛い!萌え~!!」

「ちょ、モニカ先輩!?」

「顔が危ないんすけど、モニカさん!?」

「いいわ!OK!行っておいで、凛ちゃーん!」

「わっ!?」



そう言って、烈司さんの方へと後押ししてくれるオネェさん。




(モニカちゃん・・・・イチゴが好きなんだ・・・・)




〔★モニカは納得した★〕


< 48 / 502 >

この作品をシェア

pagetop