彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)
「あ、煙草きれた。」
お葬式ムードの私の側で、烈司さんがつぶやく。
そして、体中のポケットに手を入れた後で言った。
「あーあ・・・これで最後だったか~俺、ちょっとタバコ買ってくるわ。ついでに、買い出ししてくる。このまま宴会したら、今ある食料が尽きる。」
そう言いながら立ち上がる烈司さん。
そんな彼と目があう。
「凛たん、ちょっと付き合いな。」
「え?」
ご指名を受け、腕をつかまれ、引き起こされた。
「ちょっと~凛ちゃん連れてくことないでしょう、れーちゃん?」
そんな私のズボンを、モニカちゃんがひっぱる。
それに気づいた烈司さんが、モニカちゃんを見ながら言った。
「別に意地悪してねぇー是?瑞希が凛たんにこの部屋使わせるなら、周辺の店のことも教えておいた方がいいだろう?お一人様1つまでっていう商品飼う時に便利?」
「同感だな。」
「獅子島さん?」
烈司さんの言葉に、生ハムを食べていた獅子島さんが言う。
「暮らすとまではいかんが、泊めてやるならいろいろ使えた方がいい。少しでも利益がある方がいいだろう。」
「損得勘定ですか、獅子島さん!?」
〔★利用される予感がした★〕
「俺の煙草がキレたのも何かの縁だ。いいだろう、モニカ?」
「それはわかるけどぉ~!」
烈司さんや獅子島さんの話に、まだ納得できなさそうなモニカちゃんがごねる。
これにヘビースモーカーの先輩が言った。
「それによ~ちょっと考えてみろよ、モニカ。」
「なにを?」
「凛たんが、よいしょよいしょと運んできた食料を、モニカは食べたいとか思ないかー?『モニカちゃん、イチゴが好きなんだねー♪』とか言いながら、オメーのことを考えて買ってきた品をさ~?」
「食べたいわね。」
「モニカちゃん!?」
真面目に烈司さんが聞けば、真面目に答えるオネェさん。
「ヤバい!イイじゃないそれ!子リスがどんぐり運ぶみたいで、可愛い!萌え~!!」
「ちょ、モニカ先輩!?」
「顔が危ないんすけど、モニカさん!?」
「いいわ!OK!行っておいで、凛ちゃーん!」
「わっ!?」
そう言って、烈司さんの方へと後押ししてくれるオネェさん。
(モニカちゃん・・・・イチゴが好きなんだ・・・・)
〔★モニカは納得した★〕