彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)




「きっと凛道君のことだからさ、新たな野望を抱いて準備してんじゃねぇーの!?」

「やべー!マジお会いしてぇな~」

「そういや、D組の奴が、撮影に成功したって言ってたぜ!?見に行くか?」

「マジ!?俺、送ってもらおうかな~彼女がさ、見たい見たいってうるさくてよ~探してんだ。」

「えー?やめとけよ。女取られちまうぜ~」

「馬鹿!不細工だから、顔隠してるんだろう、凛道さんは~?問題ねぇーし!」



(なっ!?)


誰が不細工!?




(地味だけど、不細工はないでしょう!?)


〔★凛のツッコミが止まらない★〕




まさか本人が斜め後ろで、スカートをはいて座ってるとは思わない奴らは好き勝手を言う。




「まぁ、初代メンバーはモデル並みの面の良さだからな~布で顔隠せって命令もされるよなー?」

「ぷっ!百鬼さんは、ワイルドな野獣系だろう~?」

「あはははは!だよなー?良い顔ではあるけどな~」

「先輩が後輩に顔隠せって、どんだけ不細工よー!顔共々、活躍が気になるわ~」


(この野郎っ・・・・!!)





ゲラゲラ笑う奴らに、顔の筋肉が引きつる。

どうやら、会有の不細工に、顔を隠せと言われて隠しているという噂も流れているらしい。

しょせん噂。

されど噂。

私が凛道蓮であることは秘密だけど。





(どこまで我慢すればいいのよ・・・!?)





どこへ行っても聞こえてくる侮辱に、精神疲労が半端ない。


〔★体に悪い環境だった★〕



悪口に耐える私に、そんなことを知らない友達2人が会話を進める。



「朝一で数学とか、ついてないよね~あてられるってわかってても、若松先生、急にあてるから心臓に悪いよ!」

「わかるわかる!今日、私のあてられる番じゃなくてよかった!」

「そういえば凛ちゃん、今日あてられる日じゃない?」

「え!?あ、そうだったね・・・」



その言葉で、聞き耳タイムは終了する。



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