彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)
雑念(?)を払い、今を見つめる。
宿題へと目を向ける。
(あの先生、1日だったら1番から、20日だったら20番の出席番号の生徒からあてるもんね~)
不運にも、私はあてられる番号だ。
念のため、1限目の数学の問題を見直す。
(うん、私があてられる問題、ちゃんと解けてる分だ。)
あてられても、答えられないはない。
間違えても怒られないけど、恥ずかしいので、自信のない問題じゃなくてよかったと思う。
「凛ちゃん、大丈夫?よかったら、私と答え合わせする~?」
「いいよ、マキちゃん。大丈夫そうだから。」
「へぇ~さすが、菅原さんだねー!全部埋まってるな~」
「え?」
軽い声に合わせ、私の周りが暗くなる。
誰かが、私の背後から覗き込んでいる。
(誰!?)
思わず振り返れば、
「あ!?飯塚君・・・?」
「おっはー、菅原さん。」
いたのは、同じクラスの男子。
それもただのクラスメートではない。
「きゃぁ~愛抱夢(アダム)君よ!」
「飯塚愛抱夢(アダム)君!」
「今日もカッコいい~!」
彼の名前は飯塚愛抱夢(アダム)。
キラキラネームを持つ、正真正銘の日本人。
とてもお金持ちの家の子らしい。
性格もイマドキで、常に人に囲まれている。
クラスでも人気者。
「今日もカッコいいよね~」
「ピアス、赤色に変えてるー!」
「イケメンは何しても、イケメンよね!」
(そう・・・・・クラスでも、人気のイケメンなんだけど・・・)
どちらかというと、学校でも有名な男子。
なんか、脱稿で一番のイケメンだって。
「り、凛ちゃん!飯塚君だよ!」
「どうしよう~近くで見るの初めて・・・!」
「ウン、ホントウダネ。」
友達2人も盛り上がるが、どうでもいい。
(男前だか何だか知らないけど、瑞希お兄ちゃんの方がかっこいいわよ・・・!)
〔★凛は関心がなかった★〕