1位の彼女と2位の俺~嘘から始まる恋~

梨花が俺の顔を見上げる。

学校では眼鏡を掛けている梨花だけど、そんな姿にもドキドキする。



「いつか会えたら、お礼を言おうって思ってただけだったんだけど、模試の結果を見て、未来の名前を見つけたの。


【2位 鴻上未来】って。


その時は、名前がくっ付いてるのが嬉しくて、私がずっと1位で居続けることで、未来は私の事、名前だけでも覚えてくれるかなって…ただそれだけの為に猛勉強した。


正直…モデルの仕事もやりながら、勉強もするって大変だったけど、未来の事想ってると、そんな大変な事さえ、凄く楽しくて…。


きっと初めて会ったときから、未来に惹かれてたんだ。


高校を決める時、都内で一番の進学校のここを選んだのも、おそらく未来もこの高校を選ぶだろうと思ったから。


でも実家からは、だいぶ遠くて、両親に何度もお願いして、セキュリティ万全のあのマンションを借りて貰ったの。」


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