1位の彼女と2位の俺~嘘から始まる恋~
影が1つ。
こちらに近寄ってくる。
慌ててベンチから立ち上がり、小走りで公園を出ようとすると、すれ違う時にガシッと腕を掴まれた。
「こんな時間に女が1人じゃ危ないよ!」
掴まれた腕の方を向くと、長身で筋肉質の男がニヤニヤと笑いながら、
私の事を上から下まで舐めるような視線で見る。
明らかにガラの悪そうな男。
全身ゾワッと鳥肌が立った。
頭の中で、ただひたすら逃げなければ…と考えながら、
掴まれた腕を振りほどき、出口まで走ろうとするが、
恐怖で足が震え、なかなか上手く走れない。