1位の彼女と2位の俺~嘘から始まる恋~
バスルームの中からは、シャワーの音だけで、返事はない。
「梨花……俺だよ……。
ここ開けて??」
ガチャッッ
扉が開くと、梨花が裸のまま抱きついてきた。
「……っっく……っっく……。」
肩を震わせながら、泣きじゃくる梨花を見て、ただごとじゃないな……と思いながら、
今は少しでも安心させてあげたくて、
梨花の背中にそっと腕を回し、ポンポンと優しく叩きながら、
「……大丈夫。
俺が傍に居るから……。
安心して良いんだよ。」
そう何度も何度も、繰り返し梨花に囁いた……。