1位の彼女と2位の俺~嘘から始まる恋~
縮まらない距離


~~未来side~~



次の日、祐太と登校すると、既に綾瀬は席について本を読んでいた。


もう新しい眼鏡が装着されていた。



「綾瀬さんオハヨウ。もう新しい眼鏡出来たの?」



すると、綾瀬はニコッと笑って



「おはよう。鴻上くん。

あの後、すぐ眼鏡を作ってくれるお店に行ったの。

本当にすぐ作ってくれて、助かっちゃった♪」



入学式の時、眼鏡姿の綾瀬を初めて見てガッカリしたくせに…今日は眼鏡を掛けている綾瀬を目の前にしても、ドキドキする。



「俺…眼鏡代、弁償するよ。」


「私が勝手に躓いてしまったんだから、弁償なんてとんでもないよ。

それよりも…昨日は本当にアリガトウね。」




そう言って微笑む綾瀬から、目を逸らせないで居た。


眼鏡を外した綾瀬の姿を知っているのが、俺だけっていう事が、二人だけの秘密のような気がして、くすぐったい気持ちになっていた。
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