1位の彼女と2位の俺~嘘から始まる恋~
ガバッと顔を上げ、周りを見渡しても、
未来を見つけることは出来なかった。
「…同じ香水をつけてる人なんて……たくさん居るよね……。」
自嘲気味に微笑んだ。
もう10年も経ったのに…
なんで私は未来だけしか愛せないんだろう……。
もういい加減、諦めようよ。
他の人を好きになった方が、何倍も何十倍もラクだから。
視界が涙でボヤけていく……。
でも…そのボヤけた視線の先に見つけてしまったんだ。
こっちを…
ずっと…見つめている男の人。
私が10年間…
一度も忘れたことがなかった
【あの人】…。
ずっと…ずっとずっとずっとずっと……………会いたかった……。
「………未来っっっっっ!!!」
思わずそう叫んで、立ち止まっている未来の元に、駆け出して行った…。