1位の彼女と2位の俺~嘘から始まる恋~
中に入り、注文を終えると、未来が不思議そうに口を開いた。
「……何だか梨花大人しすぎない?
この前の空港の時と言い、電話の時と言い、あの調子で怒鳴られるかと思ったのに……。
もしかしたら殴られるかなぁって思って、覚悟してたんだよ。」
「…………から……だよ……。」
聞こえるか、聞こえないかくらいの声で呟く。
「え?何??」
「未来に会えたことが…まだ夢みたいだからだよ。
まだ現実味がない。
目が覚めたら、また消えてしまうんじゃないかって……。
この10年間、毎日毎日会えることだけ願ってた。
だから…実際に目の前に居ると、どうしていいか分からなくなる…。」