１位の彼女と２位の俺～嘘から始まる恋～

「蓮さん……私……」


それ以上言葉を詰まらせて、何も言えなくなった真紀に、蓮さんは優しく微笑みかけた。



「宮本さんが事務所に連絡してきた時、初めは正直…また１０年前のことを掘り返すのかと思ったんだ。


でも…電話口の声で、それが違うって一瞬で分かった。

聞かせてよ。

ちゃんと最後まで聞くから。」



その言葉に真紀は、はぁっと大きく息を吐き出し、ぐっと手のひらを握りしめ、再び話し出した。




「蓮さん……１０年前…本当に申し訳ありませんでした。今さら謝っても、遅すぎると思います。

でも…どんな手を使ってでも、未来を手に入れたかった。

あの日…梨花と蓮さんの写真を手に入れて、自分のせいで梨花が襲われて…蓮さんの仕事がなくなるかもしれない……ってなったとき、

未来は優しいから、絶対に梨花と別れると思った。


私の自分勝手な想いのせいで、未来も梨花も、蓮さんも……ずっと縛りつけてしまっていた。


本当にごめんなさい。」



そういって、真紀が深々と頭を下げる。