1位の彼女と2位の俺~嘘から始まる恋~
私のお腹から胸にかけて、ザックリとナイフが刺さった後が残っているんだ。



「未来…私の身体の傷のことなら、もう気にしないで。

あれは自業自得。

私が未来と別れたくなかったから、ちょっと脅かそうとしたの。

殺すつもりも、死ぬつもりも本当はなかった。」



それでもどこか煮え切らないような表情をしている未来に向かって、精一杯の強がりを言った。



「それに……他の人のことを愛している恋人なんて、もう要らないわ。

愛のないセックスなんて、もうしたくない……。

今度は、私の事を凄く愛してくれて、私も愛せる人を見つけるから…


だから、未来は梨花と幸せになって……。」




涙が溢れそうになるのをグッと堪える。




————私が泣く資格なんてない。

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