1位の彼女と2位の俺~嘘から始まる恋~
これからの未来
~~梨花side~~
ダッシュで公園を後にしながら、私はある場所に向かっていた。
私真紀ちゃんに何てことしちゃったんだろう…!
往復ビンタとか有り得ない!!
しかも未来を取り返しに行って、何で『傍に居てあげて』なんて言ってるのよ~っっ!?
自分の馬鹿さ加減に腹が立つ。
でも…真紀ちゃんが【未来と別れる】と言ったとき…未来は別れを受け入れなかった。
真紀ちゃんにケガをさせてしまった為とは言え、
やっぱり未来と真紀ちゃんが一緒に過ごした10年は、愛を芽生えさせるのには充分な時間だったのだろう。
涙で目の前が霞んでくるが、唇をグッと噛み締め堪える。
10分ほど歩いた所で、目の前に見慣れたマンションが見えてきた。
高校の時に住んでいたマンションだ。
エントランスを潜ると、あの頃と変わらない声音で
「綾瀬様お帰りなさいませ。」
と受付の林さんが迎え入れてくれる。
「久しぶり…。部屋入っても平気かしら…。」
「もちろんでございます。
今でも、あのお部屋は綾瀬様の部屋ですから。」