1位の彼女と2位の俺~嘘から始まる恋~
未来と付き合っていたのは、今思うと、たったの1年だった。
蓮に言わせると、
「もう俺なんて、初めて付き合った相手とか、初めてやった相手なんて…キレイさっぱり風化しちゃってるよ……。」
と少し切なさを帯びた表情で笑っていた。
私が変なのか…蓮があっさりし過ぎなのか…
でも…蓮の切なそうな表情を見ると、それが蓮の本心とは思えなかった。
蓮の表情に比例するように、全然未来との記憶が薄れることはなくて、
ニューヨークに渡ってからも、度々この部屋を訪れていた。
そして…心の奥底にそっと閉まっていた未来との思い出をソッと取り出し、思い返していた。
「やっぱり無理だよ……忘れるなんて……。」