1位の彼女と2位の俺~嘘から始まる恋~
「未来……。
お互いが幸せになるために、きちんと別れよう。
今まで縛りつけてきて、勝手だと思われるかもしれないけど…どうか…お願いします。
未来から離れて、色んな人に出会って、未来にとっての梨花のような運命の人と出会うために……。
そして…未来と梨花が、本当に幸せになるために…。」
真紀と過ごして10年。
この真紀の言葉も、【自分のため】と言いながら、俺と梨花のために言ってくれる強がりだと分かってしまう…。
真紀にこんな事を言って良いのか分からない。
でも……許されるなら……
「……ありがとう。
真紀は信じてくれないかもしれないけど…ちゃんと俺は真紀のこと大切に想ってたよ。
始まりは最悪だった。
だけど…真紀には、沢山助けられてきたのも事実だ。
真紀……どうか…本当に想ってくれる人と幸せになって……。」
俺の心からの言葉だった。
真紀は目に涙を浮かべて
「私も必ず幸せになるから。
だから未来も【梨花と】幸せにならなかったら許さないから!
早く梨花を追いかけて!!
早く行って、梨花の涙を止めてあげてよ。
そして…今度は二人とも心からの笑顔を見せて!!」
その言葉に押され、俺は走り出した……。