1位の彼女と2位の俺~嘘から始まる恋~
未来が優しく微笑むから

高校の時に戻ったような感覚に陥る。

未来の長い指が、私の目元の涙をさらっていった。



「……梨花…泣かないで…。」



私の大好きな笑顔…

10年間…ずっとずっと見たいと願っていた未来の笑顔が目の前にある。

未来の言葉に反して、私の涙はどんどん溢れるばかり。


涙を止めなきゃ。

私の大好きな未来の顔が、涙でボヤけてしまうから…。



今こうして未来の笑顔を見れていること。

今こうして未来の温もりを感じて居ること。



私にとっては、もう……


奇跡に近いことなのかもしれない。




未来の背中を強く抱きしめ、


この奇跡が現実なのだと実感する。






………未来の温もりを感じながら

ソッと目を閉じた。


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