1位の彼女と2位の俺~嘘から始まる恋~
未来くんが居なくなった10年前。
梨花は今までとは別人のように変わっていた。
いつものキラキラと宝石を散りばめたような笑顔はなく、痩せ細り、他人の前では
【笑顔のRiN】
を演じ続けていた。
泣き虫だった梨花が、全く涙を見せなくなったんだ。
でも…バッタリ未来に会ったときの為と言って、服もメイクも抜かりなく頑張り、
未来に釣り合う女性になるためと言って、ひたすら勉強に打ち込んできた。
この10年間…ひたすら未来くんと会ったときの為を思って過ごしてきた。
そんな苦しそうな梨花を見ていて
「俺が忘れさせるから。」
とか
「俺にしておけよ。」
と…何度言ったか分からない。
本気で口説いているのに、梨花は俺の方なんて見向きもしなかった。