1位の彼女と2位の俺~嘘から始まる恋~


未来くんが居なくなった10年前。

梨花は今までとは別人のように変わっていた。


いつものキラキラと宝石を散りばめたような笑顔はなく、痩せ細り、他人の前では


【笑顔のRiN】


を演じ続けていた。


泣き虫だった梨花が、全く涙を見せなくなったんだ。



でも…バッタリ未来に会ったときの為と言って、服もメイクも抜かりなく頑張り、


未来に釣り合う女性になるためと言って、ひたすら勉強に打ち込んできた。



この10年間…ひたすら未来くんと会ったときの為を思って過ごしてきた。


そんな苦しそうな梨花を見ていて


「俺が忘れさせるから。」


とか


「俺にしておけよ。」

と…何度言ったか分からない。



本気で口説いているのに、梨花は俺の方なんて見向きもしなかった。


< 414 / 484 >

この作品をシェア

pagetop