1位の彼女と2位の俺~嘘から始まる恋~
~~真紀side~~



愛しているからこそ離れるという選択をした。



未来が幸せで居られるように。

未来が思う道を歩けるように。

未来が…未来で居られるように。



でも…未来と離れて半年が経つのに、私の心は、いまだに未来に囚われたままだ。

私の心にあるのは…今でも未来への想い。


それでも…心もないのに縛り続けてきた10年間よりも、随分心が軽くなった。


フッと見上げた空が、
思いのほか青くて…

こんなにキレイな空の下に
生きているということ。

こんなにキレイな空があるということ。

その事に泣きたくなってくる…。

未来…
あなたは、この空に何を見ていますか?

きちんと梨花に寄り添えていますか?

私は…今はあなたと梨花の想いが…出来るだけ近いことを願っています。


2人の気持ちが…強く強く繋がっている事を願っています…。




————あの時の選択は間違っていなかった。



2人の幸せを心から願う気持ちと、自分の囚われた想いに戸惑いながら、フラフラと歩いていると、小さな教会が目に留まった。



ソッと扉を開け、中に入ると、パイプオルガンの音と賛美歌…そのキレイな音が私の心に染み入ってくるようだった。


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