1位の彼女と2位の俺~嘘から始まる恋~
でも…離れると、一気に現実に引き戻されて、虚しさだけが残る。
綾瀬は俺の事が好きなわけじゃない。
1ヶ月後には、仕事とはいえ、他の人とキスしてしまう。
「ねぇ梨花…。」
そっと綾瀬の手を引き、自分の腕の中にギュッと閉じ込めた。
んっっ??
と綾瀬が顔を上げる。
「今度の仕事の時も、梨花が本当に好きな人だと思ってキスするんだよ。
幸せな演技。」
綾瀬が寂しそうに微笑んだ。
その切なげに揺れる瞳を見て、綾瀬の頬にソッと触れ
「ごめん……」
と掠れた声で呟いて
もう一度……
唇を重ねた……。