お前、可愛すぎて困るんだよ!
「それでも、最近は。
碧くんが注意してから、朝だけ……とかになってたけど」



「…………」



「ちっちゃい頃は。
ずーっと碧くんから離れなくて。
寝るのも、ずーっと一緒だったんだから。
覚えてない?」



「んー……。
覚えてないわけじゃないけど……。
どうかなぁ~?
あんまり意識してなかったから……」



あごに指をちょっとあてて、「うーん」と斜め上を向いて考えた。



「オレ。
朝も昼も晩も……
寝るときでさえ、碧くんをとられちゃったから。
すっげぇよく覚えてる」



組んだ手を後頭部にあてて、翠くんは妃莉を見つめた。
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