お前、可愛すぎて困るんだよ!
妃莉を見ながら、組んだ腕を後頭部からはずし……。



翠くんは指を折り曲げる。



「おはようのちゅーに、おやすみのちゅーでしょ。
それから、お出かけ前のちゅーに、帰ってきたときのちゅー。
残さずご飯を食べられたときのちゅーに、お片づけができたときのちゅーに。
あ、あと……」



「ち……ちょっと……。
翠くんっ……」



「それから、まだまだ、たくさんあったけど……。
要するに、妃莉ちゃんは。
なんだかんだ理由をつけて、碧くんにキスをしてもらってた」



「……っ」



「っていっても。
いつも、おでことかほっぺただったけど」



「…………」
< 119 / 978 >

この作品をシェア

pagetop