お前、可愛すぎて困るんだよ!
チラッと妃莉を見下ろして、翠くんは、立てた親指をくいっと動かした。



「オレ、そろそろ飯食ってくるわ。
学校、今日から始まるし。



妃莉ちゃんも、さっさと着がえて、おりてこいよ」



「え……。
翠くん……。
待って……。



どういうこと?
妃莉、妃莉は、どうしたらいいの?」



翠くんの背中に、言葉をかけた。



チラッと後ろを振り返った翠くんは、気の毒そうな瞳を妃莉に落とした。
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