お前、可愛すぎて困るんだよ!
そうだよ、そうだよ。



“勝手”じゃなかったら、いいんだもーん。



そう自分自身に言い聞かせて、そーっと碧くんの部屋のドアを開けた。



「ねー、碧くん。
妃莉のネクタイ結んで~?」



「…………」



一瞬の沈黙の後、碧くんは、振り返った。



どうやら、制服のシャツのボタンをはめていたらしい。



下の方が開いているから。



「だから、妃莉。
ノックしろっつってるだろ」
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