お前、可愛すぎて困るんだよ!
碧くんは、目を細めながら、乱暴に言った。



「……あ。
ごめん……。
忘れちゃった」



「『忘れちゃった』じゃなくて。
妃莉、笑ってごまかすな」



「えへへ……」



「『えへへ……』
じゃなくて。
あ、コラ。
そこ……」



「……ん?」



「入ってくんなっつっただろ」



碧くんは、ちょっとだけ入った妃莉を追い出すように、突進してきた。
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