お前、可愛すぎて困るんだよ!
心細かったときに親切にしてもらえて、うれしくなった。



「あの、妃莉。
碧くんに、ネクタイを結んでもらいたくて……」



胸に抱えていたバッグを離して、事情を説明することにした。



「ん?
ネクタイ?」



小嶋センパイの目が、妃莉の胸元に注がれた。



「さっき、身体測定があって」



「うん」



「着がえるときにはずしたんですけど。
でも、妃莉。
ネクタイ結べなくて」
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