お前、可愛すぎて困るんだよ!
「う~う~う~。
さっきのは、あれ、なに!?」
自分の部屋に戻って、制服に手を通しながら、ぷりぷり怒る。
“妃莉は、なんにもわかってない”とか、“子供すぎ”とか。
「妃莉、もー子供じゃないし。
なんでも、よくわかってるもん!」
ぶつぶつつぶやきながら、髪の毛をくるんとゆるく巻く。
薄めにリップもぬって、ほぼ準備はできた。
あとは……。
「コレ。
どう巻くの?」
そう、ネクタイを巻くだけ!