お前、可愛すぎて困るんだよ!
「あ、葵ちゃん。
声が……声が大きいよっ」



葵ちゃんの制服をつんつん引っ張る。



もう、家庭科室の近くだったから、女子しかいないんだけど。



こんな話を聞かれるのは、なんだかものすごく恥ずかしい。



「あ、ごめ……。
でも、妃莉がびっくりすることを聞くから~」



葵ちゃんは、家庭科の教科書を胸にあてた。



「ちなみに……。
あたしは、付き合いたいよ。
悠馬センパイと」



妃莉の耳元に口を寄せて、今度は小声でこそこそ教えてくれる。
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