お前、可愛すぎて困るんだよ!
「それは……。
言われたことあるけど……。
んー……」



と言いながら、ちょっとだけあごに手をあてる。



「じゃあ、わかるでしょ?」



葵ちゃんは、机にひじをついて、妃莉に体を寄せた。



「わからないよ~。
実際に付き合ったことはないし。
それに、今までは、好きな人がいるって言ったら、みんなわかってくれたもん」



「……え?」



「片倉くんみたいに言われたのは、はじめて」



机の上の教科書を見つめて、ぽつんと言った。

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