お前、可愛すぎて困るんだよ!
チラッと壁の時計に目を走らせた碧くんは、妃莉のシャツにネクタイを通した。



キュキュッと結んでくれる手が大きい。



今まで、あまり意識したことがなかったけど……。



碧くんって……男の子なんだ。



背だって、こんなに大きいし。



そう思ったときだった。



「あー、前からじゃやりにくいな。
妃莉、後ろ向け」



碧くんがそう言ったのは。



「う、うん」
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