お前、可愛すぎて困るんだよ!
やっと……。



“碧くんを、妃莉から自由にしてあげる”



って決心したのに。



「…………」



「それから、定期とか、スマホとか。
忘れてない?」



言いながら、碧くんは妃莉をチラッとみた。



「つか、ネクタイぐちゃぐちゃ。
妃莉、また輪っかのまま、首から抜いたな?」



ふっと小さくキレイに笑い、碧くんは、妃莉のネクタイをするっとほどいた。



そして、いつも通り、キレイに結んでくれる。
< 354 / 978 >

この作品をシェア

pagetop