お前、可愛すぎて困るんだよ!
もちろん、素直にうなずいて、後ろを向いた。



でも……。



「……っ」



背中に碧くんの体温を感じる。



ふわっと包み込むみたいに、広い胸。



妃莉なんか、すっぽり入っちゃうくらい大きな体。



ネクタイを結ぶために、前かがみになってのぞきこんでるから……。



碧くんの息遣いも、すぐ近くに感じる。



ど、どうしよ。



心臓がドキドキしすぎて、すごく苦しい。
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