お前、可愛すぎて困るんだよ!
鼻の下を指でこすりながら、妃莉を見下ろす。



「なんとっ!
あやうく、魔界に持ち逃げされるところだったんだよ~」



「……?」



あまりに突飛な小嶋センパイの答えに……。



どう返したらいいのかわからず、固まった。



「それを、すんでのところで気がついて。
俺が取り返してきたってわけ。
どう?
すごいでしょっ!?」



俺の手柄だと言わんばかりに、勝ち誇った顔をする。



その隣で、額に片手をあて、大森センパイが“あちゃー”っていう顔をした。
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