お前、可愛すぎて困るんだよ!
「でも、お医者さんは……。
人の命を預かる、ものすごく大変なお仕事だし。
素晴らしいお仕事だと思います。



それに、優しくないとできないと思うから……。
妃莉は、センパイのお母さんを尊敬します」



「尊敬なんてされなくてもいい!」



妃莉の言葉に、静かに、でも、荒々しくセンパイが言葉をかぶせた。



「素晴らしくなんかなくたっていい。
人からほめられるような仕事なんてしてなくてもいい。



俺にとっては……。
ただ“おかえり”って言ってくれる母親の方がよかった」



「……センパイ……?」

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