お前、可愛すぎて困るんだよ!
「…………」



「それなのに……。
父親はもちろん、母親も。
妃莉ちゃんとは正反対で……。
隙は、一切見せないし」



「…………」



「あったかい家庭のカケラなんて、ひとつもない。



それに、俺。
あの人の口から聞いたことないもん。
妃莉ちゃんがよく言う“好き”って言葉」



そう言ってセンパイは……。



お花屋さんの正面に飾ってあるカーネーションのお花をにらんだ。
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