お前、可愛すぎて困るんだよ!
「なんでって……。
そんなの、決まってる。
ひとりで家なんかにいたら……。
妃莉ちゃん、さっきよりもたくさん泣いちゃうでしょ?」



「……えっ?」



「じゃなくて……。
あー……」



と言いながら、センパイは、手で口元をおおった。



「今……。
お家に誰もいないんでしょ?
おじさんも、おばさんも、それから……。
碧の弟の翠くんも」



「あー、はい」



「そんなところに、妃莉ちゃんを帰すわけにはいかないってこと」

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