お前、可愛すぎて困るんだよ!
「あー、片倉。
あんた、妃莉のこと意識してんでしょー」



すかさず葵ちゃんが、片倉くんを指さした。



「狙っても、たぶん、無駄だから~」



「うっせ。
んなの、わかんねーだろ!
……っは!!」



片倉くんは、大急ぎで口元を手で隠した。



「あははははー。
妃莉にひとめぼれしたの、もろバレだから!
入学式のときから、あんた、妃莉のこと見てたでしょー」



「……うっせ」



小さな声で言いながら、片倉くんは、妃莉の顔をチラッと見た。
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